統一価格で本体価額は実質値下げ
令和元年10月1日より、消費税率が8%から10%に上がり、飲食料品等については、軽減税率が適用されます。飲食店では、店内飲食が10%でテイクアウトが8%になります。
税抜500円の商品であれば、店内飲食10%で550円、テイクアウト8%で540円となります。ここで、大手飲食チェーンの動向を見ますと、お客さまへのお得感の演出、従業員のオペレーションの負担増加を考慮して、店内とテイクアウトの税込価格を同じにするチェーン店があるようです。店内でも、テイクアウトでも税込540円と統一すると、店内飲食の税抜価格は491円でテイクアウトが500円となり、店内飲食の粗利が約2%減ります。
中小企業においては、大変頭の痛い問題で、メニュー構成や価格のバランスの再検討などが必要になるかと思われます。
まさかの値下げ要請?
そんな中、日本経済新聞2019年9月10日の記事で気になるものがありました。
大手外食チェーンの増税後の価格設定の対応がおおむね出そろった。日本マクドナルドは10日、10月から消費税が10%に上がる店内飲食と税率が8%に据え置かれる持ち帰りについて、税込み価格をそろえると発表した。初の軽減税率の導入で各社の反応はわれた。消費者への周知など、10月以降も混乱を防ぐ配慮が求められそうだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49638400Q9A910C1EA2000/
日本マクドナルドが店内とテイクアウトで税込価格をそろえる内容ですが、これは以前のブログで紹介しました。
問題は同じ記事の後半で、
政府、税込み同一価格を推奨
政府は、消費者にとって分かりやすいとの理由から、持ち帰りと店内飲食の税込み価格を統一することを推奨してきた。10日には関係する省庁の担当者を集めた会議を開いて、企業や消費者に混乱が起きないよう情報収集を強化することを確認した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49638400Q9A910C1EA2000/
政府はテイクアウトと店内飲食の税込価格を統一することを推奨しているようです。
なんとも酷い話で、ただでさえ難しい粗利の確保がさらに難しくなるよう、政府が要請するとは・・・
可能な限りで調べてみましたが、政府からの文書などは発表されておらず、正式な決定ではないと思われます。
消費者の利便性はわかりますが、中小企業を応援する身としては、なんとも切ない気分になります・・・
しかし、統一価格が主流になりそうな雰囲気ですので、対策は必要になるでしょう。
この記事は皆さまに大枠を簡単に分かりやすくお伝えすることを目標にしています。実際の運用、適用の際には、必ず、税理士にご相談ください。