某何とか会のスローガンみたいですが、月次決算の早期化はおススメです。
もう、20年近く前の話ですが、税理士業界で働きはじめて2~3年たったころ、とある社長から
「決算の数字なんてい意味がない、死亡通知はいらない。」
と言われました。その意味は、「事業活動に区切りをつけてから、数字を集計して、その結果、赤字ですと言われても、何も手が打てない、それでは死亡したことの証明でしかない。ダメだった証明はいらない。」
何も言うことができず、真っ青になって固まりました・・
今でも私の心に刺さっている言葉で、仕事の原点の一つとなっています。
忙しい、月次なんてやってられない
中小企業の社長は多忙です。ほとんどの社長様がすべてをお一人で取り仕切らなけばならないので、当然です。経理が追い付かないのも仕方がないと思います。
まず、一番大事なのは資金繰り、その次に製品商品、サービスの納期、次の受注のための営業活動。現実的には、大きなお金の動きは社長の頭の中で整理されていて、わざわざ細かく集計して、書類に起こす必要はないと考えられている社長様が多いように思います。
経理は税理士に丸投げしているとしても、投げる資料もある程度まとめる必要があり、まとめる時間も惜しい、毎月なんてまとめる時間がない、だから年1回の決算の時だけで処理してほしいとのお話はよくあります。
何で毎月やるの?
それでも尚、月次決算を行うことは重要であり、その早期化を強くおススメします。
税理士の仕事の一つに税務申告書の作成があります。1年間の決算書を作成して、その決算書を基に税務申告書を作成します。
1年分の数字を短期間でまとめてチェックするのは大変です。「それが仕事だろ」と言われてしまうと、元も子もないのですが、やはり1年まとめてですと、チェックが漏れて正しい税務申告書にならないリスクが高くなります。毎月、月次を締めて数字をチェックした方が、お互い気持ちよく仕事ができると思っていることも事実です。
税理士の仕事は、一義的には適切な税務申告書を作成して、納税者の権利と義務を守る事にあります。
しかし、私は税務署の代理人ではありません。
報酬を頂戴してサービスを提供する以上、「来月はいつ来るんだ、早く来い!」と言っていただけるような「価値」をご提供する必要があます。
あなたにお届けしたいもの、それは、
「過去を管理して、未来へのヒントを探す」
できるだけ過去の数字を管理して、先月数字と比較する、前年同月の数字と比較する、期首からの推移、累計の数字を比較する、今まで、どうだったのか、今月どうなのか、その数字を管理して、来月はどうなりそうか、この推移で決算を迎えるとどうなるのか?そんなご相談の中から、なにか、未来へのヒントをご提供したいと考えています。
何で毎月、月次を締めるのか、
それは未来へのヒントを探すためです。
複雑怪奇な世の中で、少しでも明るくなるために
先の事は誰にも分りません。過去の傾向を全く無視したリーマンショックのような事態も起こってしまいます。
複雑怪奇な世の中で、まずは、棒切れ一本お届けします。
棒切れ一本でも、武器になります。手ぶらより100倍ましです。
管理の精度が上がってくれば、棒切れは鉄になり、剣になります。
過去は過去ですが、その数字を管理して、推移、傾向、忙しいときと暇なときの変動、客観的な数字で明らかになれば武器になります。そして対策が検討できます。
中小企業間で同業他社との数字の比較は難しいですが、中小企業の業界平均の数字は調べられます。また、上場企業は決算書を公開しています。上場企業と金額の大小を比較しても意味がないのですが、粗利率、営業利益率の比較はできます。
これも、比較するには自社の数字が管理されていることが前提となります。自社の数字を適切に素早く確認するために、月次決算の早期をおススメします。
具体的な月次決算の早期化のポイントやスキルなど、順を追って、このブログでご紹介していきます。
お急ぎの方かは、お問い合わせフォームからご連絡ください。お気軽にどうぞ