24時間いつでも対応は出来ません。
税理士の仕事に限らず、差別化は重要です。
人との違いを出さないと、埋もれてしまって、誰も気づいてくれません。
どうやって、差別化するか?ある人とそんな話をしていたら、
「24時間対応します」とか名刺に書いたら?と提案されました。
確かに、クライアントが少しでも不安を感じたときに、すぐに電話ができて連絡が付き、問題が解決したらクライアントは安心かもしれません。
しかし、人間誰でも、食事もしますし、お風呂に入ります。睡眠もします。
仮に私の趣味の時間をゼロにしたとしても、生きていく上で最低限、必要な時間はあります。
また、他のクライアントと打ち合わせをしている最中に電話が鳴ったらどうしましょうか?
電話に出たら、目の前に座っているクライアントを待たせることになります。
どちらを優先すべきでしょうか?私は直に会っている人を優先します。
出来ないことを書いてしまったら、ウソになります。
ウソは名刺に書けません。
本当にそれは必要なのか
年に数回、夜中にクライアントから電話を貰うことが有ります。
クライアントには「いつでも電話してください。ただ、他の方と打ち合わせをしていたりと、出られないときは出ません。その際は折り返します。」とお願いしています。
遅い時間に電話があって、何事かと思って電話に出ると、「今、呑んでるからお前も来い」みたいな話です。
お誘いを受ければもちろん、行きます。
大変ありがたいことに、クライアント様には恵まれています。こちらからお願いしなくても、連絡はメールでくれます。
日中に電話があっても、「忙しいところ、すまないんだけど」とクライアント様の方が恐縮して下さいます。
仮に「24時間対応します。」と名刺に書いたとしても、本当に夜中に電話がかかってくるのは呑みの誘いぐらいで、実害はないのかもしれません。
しかし、こちらが24時間対応する必要が有るとすると、クライアントも私も24時間何かに悩み続けることになります。
これはお互いに不幸なことです。
そうならない為の段取りが重要
夜中に何か不安になって、確認したくなる。
経営は戦いなので、そういったこともあるかもしれません。
不安の原因は「突然」の出来事、「そんな話は聞いていない」を減らすことができれば、不安は減ります。
悪い知らせであっても、それが想定内であれば、慌てることはありません。
それならば、手前できちんと段取りをつけておけば、その不安を減らすことができます。
「来月あたり、こんな書類が税務署から届きます。そうしたら来月の打ち合わせまで保管してください」
「今期はかなり利益が出そうなので、早めに対策を考えましょう」
早め早めに情報を提供する、よくコミュニケーションをとって事前に対策を練る。
これが出来れば、想定外を減らすことができて、お互い24時間体制で警戒する必要が無くなります。
突然の出来事で一番困るのは税務調査ですが、これも対策が有ります。
税務申告書に「お守り」を付けることで「突然」を回避できます。
この「お守り」は強力で、これを申告書に付けると税務調査の連絡は必ず税理士に行きます。
税務署から直に社長へ連絡がいくことはありません。連絡なしに踏み込まれることもありません。
(悪意を持って脱税している場合を除く)
さらに、税務署から私に連絡が入って、そこで説明の機会を与えられます。私からの説明で税務署が納得すれば、税務調査は省略されます。会社に税務署の職員は来ません。
これは正式な手続きで、「税理士法33条の2に掲げる書面添付」と呼ばれています。
不安をゼロにはできません。しかし事前のコミュニケーションと対策で減らすことは出来ます。
24時間警戒態勢はお互い不幸です。
もちろん、夜中でも何かあれば、お電話いただいて結構ですが、出来れば呑みの誘いだけにしてください(笑)