売り物は自分
税理士業界は高齢化が進んでいます。
少子高齢化の時代ですので、その流れに乗っていると言えばそうなのですが、とても若い人が減っています。
税理士試験は大変だし、昔のように「おいしい先生稼業」なんてありません。
税理士の仕事はとても良い仕事なのに、業界全体がしぼんでしまっている様で寂しい気持ちになります。
下のグラフは少し古い数字(平成26年)なのですが、日本税理士会が発表した税理士の年齢分布をグラフにしたものです。
出展
https://www.nichizeiren.or.jp/wp-content/uploads/doc/prospects/whats_zeirishi/book02/origin/page-0017.pdf#search=’%E7%A8%8E%E7%90%86%E5%A3%AB+%E5%B9%B4%E9%BD%A2′
を基に筆者作成
実に半数以上が60歳以上です。20歳代と30歳代の合計で1割ぐらいしかいません・・
この結果、何が起きているのかというと、税理士業界の寡占化が進んでいます。
引退する高齢の税理士事務所を大手税理士法人が吸収合併しています。大きい事務所がどんどん大きくなっていき、昔ながらの事務所はどんどん減っています。
中小企業の後継者難が盛んに報道されていますが、後継者難は税理士も同じです。
何百人と人員がいるような税理士法人と同じことをしても、勝負になりません。資本も人員も桁違いです。
では、どこで勝負するか、何を売り物にするのか?
それは「自分自身」かなと
大手ではなく、他の人ではなく、「あなた」だからお願いすることにした。
クライアントに「あなた」だからお願いしたと言って頂くために、自分が何を考えているのか、どんな事が得意なのか、今後どうしたいのか、多くの人に知って頂きたく、ブログを書いています。
自分で自分の事は見えなかった
改めて、自分の仕事に対する思いとか、どんな事がしたいのか、などを文章にしてみました。
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これがなかなか、大変でした。
普段からの行動を振り返って、文章に書き起こすわけですが、勤務時代には特に意識してたわけではなく、常日頃からの自分の行動を文章にするにも中々纏まらず、かなり時間が掛かりました。
割と大きな組織で働いていたので、組織のブランドに乗っかっていた部分が多かったなと、改めて思いました。
担当者としてクライアントと向き合うのは自分なので、そこで自分で考えたこと、会社のブランドだった部分との切り分けには時間が掛かりました。
一旦文章にして公開しましたが、これが本当に自分の本心なのか、もっと掘り下げる必要が有ると痛感しました。
自分で自分の事を客観視することは、非常に難しいものでした。
そもそも、客観視出来ているのか不明です。
経営者の相談相手に
自分を掘り下げるのに周りに相談もしました。
親、兄弟、地元の友人、元同僚、何人かの人に「俺の事どう思う?」と聞いてみたところ、
親「頑張れ、息子」
兄「お前の仕事は難しくて分からない」
地元の友人「今更、気持ち悪い」
元同僚「いろいろ知識もあるし、頑張っているんじゃない」
いまいち、芯にヒットしない解答でした。
家族、友人は距離は近いが、仕事のことを知らない、元同僚は仕事の事は知っているけど、距離間がいまいち・・・
適度な相談相手は、なかなか難しいと感じました。
そこで、ハタと気が付きました。
これは、クライアントに相対する私の仕事だと。
今までやってきた事の一つが整理れました。
クライアントの仕事よく理解していて、家族や従業員には相談できない仕事の相談相手、それが私の仕事であると再確認しました。
「ここがダメ、あれもダメ」とか言ってしまう評論家ではなく、「とりあえず頑張れ」みたいな感情論でもなく、根拠に基づいて状況を整理して、これからどうするか一緒に考える人、それが私の役割ですし、やりたい事です。
経営者の良き相談相手になるために、文章化は重要なんだなと考えた次第です。