略歴
1977年4月14日 生まれ 42歳 巳年
千葉県船橋市出身
千葉県市川市の行徳に在住
船橋市立大穴中学校卒業
千葉日本大学第一高等学校~日本大学理工学部物理学科 卒業
20歳まで、常に自転車で移動、地元密着
大学卒業後、自動車販売会社に就職(2年)
以後、税理士事務所(個人)を1か所、税理士法人3か所に勤務(延べ18年)
趣味:クルマ、バイク(免許取りました!まだ買えない 涙)、料理、マラソン
好きな食べ物:辛いもの(特にカレー、麻婆豆腐)、酒豪
好きな本:司馬遼太郎(幕末ものはすべて読んだ、特に「翔ぶが如く」現在、戦国モノを物色中)、ノンフィクション全般
好きな音楽:Jamiroquai、Coldplay、Jazz fusion全般
毎日のルーティン:マラソン、風呂の掃除
仕事について思うこと
誰もが最もセンシティブになる「お金」と「税金」の悩み。誰にも相談しずらい話に唯一、相談に乗れる職業、それが税理士。
責任は重大ですが、これほど頑張った甲斐のある仕事は他にないと思ってます。
独立のため、勤務していた税理士法人を退職するにあたり、担当先へ挨拶周りにいきました。
多くの方から「おめでとう、頑張ってね」と応援して頂きましたが、何人かの方から「このご時世に大丈夫か?」「リスク高すぎでは・・」みたいな目で見られました。
雑誌などの記事よれば、税理士はAIによって消えてなくなる仕事と言われてます。業界内では大手の寡占化と低価格競争が激化し、「おいしい先生稼業」なんて随分昔に消滅してます。
勤務は相変わらずの激務で、税理士を目指す特に若い人は激減しています。
税理士業界として、元気が無いというか、縮小に歯止めがかからないというか、心配されるのも仕方がないのかもしれません。
でも、揺り戻しがあるのかな?と思ってます。税理士業界はビジネス化しすぎているのではないかな?と感じています。
最もセンシティブになる「お金」と「税金」の悩みについて、受け手の税理士業界側が割り切りすぎているように思ってます。金額は割り切れますが、人の悩みは割り切れません。
コスト積み上げ式の低価格をうたう税理士は多くいます。業務を細分化して、細かく値段を積み上げる方式です。
料金の明確化も時代の要請でしょうが、「その相談内容ですと、別料金です。どうしますか?」とか、私は言えません(笑)。
「じゃあ、お金払いたくないから、相談しない。」とか言われたら、非常に切なくなります。
何より重大なことは、クライアントの悩みは何も解決しません。もう少し長いスパンでのお付き合いを考えて、まずは解決策を考えて、うまく回すことが先かなと。そして回り始めたら報酬をご相談させて頂ければ嬉しいかなと。
大手税理士法人ですと、担当が細分化されてます。組織化を進めれば当然なのでしょうが、弊害として部署移動や担当替が頻繁に起こります。何か悩みや不安があったときに、とりあえず私に声をかけて頂ける存在でありたいと思います。
何で税理士になったの?
動機は特になし(涙)
まあ、偶然ですね。
2000年に日本大学理工学部物理学科を卒業しました。当時は就職氷河期など言う迷惑な言葉が出回り始めた時期で、物理学科ではどこにも仕事がない。
大学院に進学する同級生も大勢いましたが、もう勉強したくなかったし、クルマが好きだった(今でも)ので、健康であれば誰でも就職できた新興の自動車販売会社に就職しました。
物凄いブラック企業でした。2年半で体を壊して辞めました。
仕事を辞めてしばらくボーとしてました。ただ営業1本では食べていけないと悟り、何か勉強をして武器を身に着けようと思いました。
あてもなく最寄りの大原簿記学校に行ってみると、資格のパンフレットが山積み。
さて、どうするか?
一番近くにあったパンフレットを手に取ると、「1年で1教科ずつ合格が可能」「働きながらでも5年で5科目、資格取得できます」の文字。
瞬時にこれだと思ってしまいました。
仕事を辞てお金もなく、自分のペースで試験勉強ができて、働きながら資格が取れるなんてすごい!
一番近くにあったパンフレットが「税理士」でした。
動機もなく、いきさつは偶然でした。
迷走、その後
早速、日商簿記2級の勉強を始めて、小さな税理士事務所に就職しました。
所長は高齢で、クライアントも年々減っており、暇な事務所でした。
朝、所長に「今日はどうしましょうか?」と指示を仰ぐと、「何もない」と言われ座っているだけ。
働きながら試験勉強をするには良かったのですが、早く仕事を覚えたい身としては非常にストレスで1年半で転職しました。
その後、3か所の税理士法人に勤務しましたが、どこも激務。帰宅時間がテッペン(24時)を超えるとか当たり前で、とても試験勉強どころではない。まあ、何となく始めてしまったので、動機が弱かったせいもありますが・・(反省)
でも、仕事は面白かったです。頑張れば頑張った分だけリターンがあって、とても充実していました。
リターンはお金ではなく仕事。
仕事をやり切って成果を出すと、次の仕事は、より規模の大きいクライアント、より難しい案件で、実力が上がっていることを実感し、仕事に燃えていました。
部下を3人付けてもらって上場企業のメインに指名されたときは、「俺もここまで来たか」としみじみ感じました。
それで、30歳半ばに差し掛かり、実力もついて社内外でのポジションもはっきりしてきたころ、「この先どうしようか?」と不安になりました。
もはや働きながら資格を目指しているなどとは形だけで、もう何年も「合格」の文字は見ていません。それに何より給料が安い!クライアントの担当者の半分ぐらい。
私に質問をしてくる人の方が、質問に答える私より、遥かに給料が高い!試験勉強は全然進まず、諦めて企業の経理に転職しようかと思いました。
そのころ、少し変わった業務で「経理支援」の仕事をやっていました。
クライアントの経理部に席を作ってもらって、月の半分ぐらいそこに通って経理の仕事をしていました。経理はいつでも人手不足です。
普通に営業の人に電話をして「請求書、早く回してください!」とか言ってました。後で、「うちの社員じゃなかったの!」と驚かれたりもしました(笑)。
そんな縁で、ある上場企業のマネージャーから「今度、経理部長に昇進するから、このまま俺の下で経理マネージャーをやってくれ」と話がありました。
給料も倍増です。これは有難い、これで試験勉強もしなくて良い!やったーと思いましたが、熟慮の上、お断りしました。
やっと覚悟が固まって
順番待ちは面白くないなと
経理マネージャーから経理部長へ昇進を考えたときに、経理部長のポストが空いていなければ昇進できません。
私を誘ってくれた経理部長が取締役になるか、転職でもしない限り、経理部長のポストは空きません。経理部長が2人いても混乱するだけ害しかなく、何より自分の努力でコントロールできないのは面白くないなと。
「仕事を取ってこれる税理士」
これが再設定した目標です。「仕事を取ってこれる税理士」であれば、100人いれば100人分ありがたいし、1番から100番まで明確に順位が付きます。何番目になるかは自分の努力次第、結果をコントロールできる。
「仕事を取ってこれる」とは営業力の事になりますが、税理士の営業で一番大きいチャンネルは既存のクライアントからの紹介です。ほかの誰でもなく、「お前に任せる」と言って頂くために、何が必要か?当然、信頼関係ですね。
「クライアントと強固な信頼関係を作り、紹介を得る。」言ってしまうと、至極当然の事なのですが、では、「強固な信頼関係」どうやって作るか?
自分なりに考えて、信頼関係とは「お互いの事をよく知っている関係」ではないかと考えました。
それで、クライアントの事をよく知って、クライアントに自分の事もよく知ってもらう関係を明確に意識するようになりました。
以前から漠然とやってはいましたが、クライアントのホームページを穴が開くほどよく見る、クライアントの状況を統計情報と比較する、業界の最新ニュースを提供する、現場に行って現物を見てみるなど、目的をもって、クライアントの事を知る努力を重ねるようになりました。
税務申告書はクライアントのビジネスモデルを知らなくても作成できます。やっつけ仕事ですが、領収証と請求書をルールに則って集計すれば良いので。よく新規の相談で「今の税理士からの提案がない」とお話を受けます。ビジネスモデルを知らないから提案ができない、提案の必要性が理解できない場合が大半かと思います。
それでは信頼は得られないなと
クライアントを知る努力を重ねるほどに、税務申告はあくまでクライアントの事業の一つのイベントであって、必要なことは「税務上の正しい判断」ではなく、「クライアントの事業にとって正しい判断」が必要なんだと思うようになりました。
ただ、「クライアントの事業にとって正しい判断」は「クライアントの希望に沿った判断」ではありません。
誰しも税金は払いたくないので、すべて希望に沿うと、どうしても脱税方向に近づいてしまいます。脱税は絶対にしてはいけません。一時的に税金が減っても、必ず報いを受けます。金銭的な懲罰、信用の失墜、良いことは一つもありません。
その大きすぎるマイナスは正しい判断になりません。節税の提案はします。無駄な税金を払う必要はありません。脱税はしません。1円たりとも税金を払いたくない方は、他にご相談ください。
税理士やってます。
税金を払うために事業を行う人はいません。それぞれに描く未来があって事業を行います。
その中で税務は経営に必要な一部分でしかないのかなと。資金繰りはもちろんのこと、営業のこと、人事のこと、跡継ぎのこと、家庭の痴話げんか、知れば知るほどにクライアントと距離が近づきます。
自分の事を知ってもらう努力は、あまりしていないかもしれません・・まあ、自己アピールが過ぎると、嫌われますし。このホームページぐらいかも(笑)
キチンとクライアントの話を聞いて、こちらから近づく努力をすれば、興味をもってもらえるのかなと思ってます。変な隠し立てとかしませんし。
残るは税理士試験、目標が定まったので、どうにかするしかない。で、大学院に進学することにしました。東京国際大学大学院商学研究科
大学院で税務の論文を執筆して、それが国税庁に認められると試験科目の一部が免除になります。土曜日と日曜日に大学院に通いました。2年間週末なし。体力的にきつかったのですが、目標設定がしっかりしてましたので今度は挫折せず、無事卒業。資格試験はこれで決着を付けました。
「何となく流れ付いたらこうなった」みたいなところも有りますが、とても良い仕事を選んだと思ってます。
そんな、こんなで税理士やってます。
これからのこと、税理士黄金時代
仕事の評価
税理士はこらから黄金時代を迎えます。
こんなことを言うと、ものすごく白い目で見られます。同業者からは「この厳しい時代にアホかお前」みたいに言われます。
「自分の仕事に確信が持てんのかーい!」とツッコみたくなりますが、まあ、喧嘩してもしょうがないので(笑)。
でも、確信を持ってます。
税理士の仕事はAIに真っ先に駆逐される仕事などと言われています。確かに税理士の数は減るでしょう。しかし、「お金」「税金」という最もセンシティブなものを扱う以上、相談相手は誰でもよい訳ではなく、誰から説明を受けたいか、誰と話がしたいか、誰の説明なら納得できるか、「誰から」つまり、「信頼」は必ず残ります。
「会計事務所なんて、どこでも同じ」そう思っている方は多いと思います。記帳代行して、決算書を作成して、はい、税金はいくらでした。これが仕事であるならば、仰る通りでどこでも同じです。それなら、税理士は唯のコストセンターで1円でも安い方が良いに決まってます。「格安税理士」を標榜する事務所や、「顧問料を見直して安くしましょう」みたいな仲介業者も大勢います。
帳簿を作成する、決算書を作成する、申告書を作成する、作業の積上が仕事の評価だとすれば結果は同じになります。もっとも、抜け漏れが多かったり、間違っていたりと同じにならないことも多いのですが・・
2億です。ドーン!
昔、上場支援の仕事にアサインしていたころ、とある高名な経営コンサルタントの方とご一緒する機会がありました。
元々その方は世界的なコンサル会社の本部(ロンドン)で勤務していた方で、そこを退職して日本で独立しました。ロンドンで勤務していた当時、時間単価10万円ぐらい請求していたそうで、目玉が飛び出るくらいびっくりしました。
私「なんで、そんな割の良い仕事を辞めたんですか?」
すごい人「バカか、ちっとも割なんて良くないよ」
私「えー、1時間10万円で、1日で100万円近い報酬になるじゃないですか!」
すごい人「だからお前はバカなんだよ、俺の仕事は時間じゃない。クライアントの問題をいかに解決するか、いかに良いアイディアを提案するかが俺の価値だ。良いアイディアは、ぱっと瞬間的に思いつくこともあるし、何日かけても見つからないこともある。瞬間的に思いついたアイディアで何百憶も改善するのに、請求額は10万円かよ!」
私「それはそうですが・・」
すごい人「だからさ、そのアイディアをA4一枚にまとめてさ、コンサル報酬は2億です。ドーン!って出してやったわけ、相手は大喜びだよ!ガハハハ!」
昭和の男、24時間働きます!(笑)
税理士ではありえない、かなり極端な話ですが、グローバルではこういう事が起こるそうです(笑)。
私もクライアントから相談を受けます。そんな瞬発力のある脳みそは持ち合わせていないので、考えます。24時間悩み続けます。
食事をしても、居酒屋でバカな話で盛り上がっていても、クルマの運転をしていても、本を読んでいる時でも、常にそのことでモヤモヤしています。スイッチがONになったり、OFFになったり、行ったり、来たりしたりしています。
で、モヤモヤし続けているとやっと閃く瞬間があります。その瞬間は大概決まっていて、風呂に入っているときか、寝起き。
すぐに資料にまとめて、クライアントに提案します。それで喜んでもらえれば、今までのモヤモヤも綺麗に吹き飛びます!まあ、たまに却下されることもありますが・・。全部が上手くはいきません。
このモヤモヤした時間、工数はもちろん請求していません。
よほど大がかりな仕掛けが必要ならば別ですが、悩んだ時間の積み上げは測れないからです。
メニューを定型化して、メニューごとに値段を決めて、それで済めば私も楽なのですが、そうであれば私を選んでいただく理由がなくなってしまします。
クライアントは税務の専門知識がないから専門家である税理士に依頼します。業務を細分化して、綺麗なメニューを作っても、専門的な知識の無い方が正しく必要なメニューを選択できるのでしょうか?
税理士に法人税の申告だけ依頼して、オーナーの相続対策、会社の株価対策を全くしていなくて、もう手遅れになっている方を沢山見てきました。顧問税理士は何も対策を提案していません。
能力の問題なのか、メニューの問題なのかは分かりませんが、相続対策、株価対策は時間が掛かります。まずは早い段階で株価の評価を行って計画を練る必要が有ります。クライアントから「株価評価は別料金だから、やらない、そんなメニューはいらない」と言われてしまうと、専門家として困ってしまいます。キチンとした仕事が提供できません。
短期的な細かい報酬の積み上げではなく、仕事も報酬も、もう少し長いスパンで考える必要が有ると思います。
黄金時代はもう目前
この業界で最初に就職した税理士事務所は小さな事務所でした。
所長も高齢でクライアントの縮小に歯止めが掛からない状況でしたが、何十年と生き残ってきたことも事実です。生き残った数少ないクライアントからは神様のように称えられていました。飲みの席で所長から昔の武勇伝をよく聞かされました。もう20年近く前の話です。
古き良き事務所だったのかもしれませんが、それを望むことは出来ませんし、望むつもりもありません。
まずは、無理のない報酬額でお付き合いを始めて、がっちり信頼関係を築いて、将来的には「戦友」のような関係になれれば良いかと思ってます。
「やるのか、やらないのか、金で決める。」「金の切れ目が縁の切れ目」ではなんとも切ないですし、適切な仕事は提供できません。
税理士の仕事は製品を製造したり、サービスを提供したり、付加価値を提供して、世に対して富を生産する仕事ではありません。
富を生産するクライアントを手伝うことが仕事であって、クライアントの未来が明るくなってから、はじめて、私の未来が明るくなります。
帳簿の作成、決算書の作成、申告書の作成、作業を積み上げる仕事は、もうすぐAIに駆逐されます。作業ベースで価格競争しても、もうお手上げです。
AIは結果を示すことは出来ますが、なぜ、そうなったのか理由を説明することはできません。AIが示した結果を採用するか否かは人間の判断です。
私は作業が嫌いです。
現状ではAIがそこまで賢くないので、まだ自分で素早く正確に行う必要が有るのですが、作業をAIにお任せ出来たら嬉しいです。
そうしたら、もっと時間をかけて、「なぜ、そうなったのか」「どうして、こうなったのか」「今後どうすべきか」、お互いの明るい未来に向けて話しましょう!
酒でも飲みながら、ワイワイやれたら最高ですね!
税理士の黄金時代は目前に迫っています。